Z世代の多くは、生活のさまざまな場面でタイパ(タイムパフォーマンス)を意識しています。「タイパ至上主義」という言葉が登場するほど、Z世代は時間効率を重視しているのです。
今回はタイパ至上主義の皆さんが、根本的にタイパを向上するのに必要な集中力の使いこなし方をお送りします。
タイパとは
タイパとは、タイムパフォーマンス(時間対効果)を意味する略語です。かけた時間に対する効果、かけた時間に対する満足度を表します。
お金の有効活用を考える「コスパ(コストパフォーマンス)」に対し、「タイパ」は時間の有効活用を考えます。
例えばタイパを意識した行動例は以下の通りです。
・タイパを感じられない無駄な宴会に行くことを辞めた
・ミーティングのタイパを上げるために、事前に質問事項を整理しておく
・タイパを上げるため、映画を倍速再生にして1時間で観る
このようにプライベートからビジネスまでさまざまなシーンで、タイパを重視する行動が若年層を中心に増えています。
タイパがトレンドに
タイパがトレンドワードになった背景として、映画を倍速で観る若者が話題になったことが挙げられます。
「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来(稲田 豊史) | 現代ビジネス | 講談社(1/6) (gendai.media)
動画視聴サービスが充実して、大量の動画が簡単に視聴できる時代が故に生まれたトレンドとも言えます。
映画の視聴方法には、下記のような方法があります。
・ながら見:別の作業をしながら映像を見る
・倍速視聴:再生速度を倍にして視聴する
・スキップ視聴:興味のないコンテンツを飛ばしながら見る
・ネタバレ視聴:作品を楽しむ前にある程度の内容を把握しておく
実際に私の身の回りにもこのような楽しみ方をする人は多くいます。
またZ世代は「時間をムダにしたくない」、「最小の労力で最大の成果を得たい」というタイパの意識から、ネタバレ消費を好む傾向にあるようです。
具体例は以下を挙げられます。
・ドラマ・漫画の結末や名シーンをレビューサイトで調べてから観る
・書籍の要約サイトを見てから本を読む
・誕生日に欲しいものを本人に聴いてからプレゼントを買う
「ネタバレをして面白いのか?」との意見もあがりそうですが、以下のようにポジティブにとらえています。
・内容を知っていたほうが楽しめる
・内容に納得した上で後悔せず本を購入できる
・本人の満足度が高い誕生日プレゼントを確実に渡せる
事前にネタバレすることで、無駄なお金を支払わずに済むというコスパ面も重視しているともいえるでしょう。
タイパと労働生産性
タイパ重視の人はあらゆることを時間と天秤にかけています。
例えば、労働においても自分の使った時間に対しての対価(お金)を時給に換算して考えるなど、
これは資料作成や事前準備など「使った時間」に対しての対価として考える傾向にあります。
捉え方にもよりますが、時間をかけないようにする考え方は「より効率よく労働する」という面では重要といえます。
タイパと集中力
タイパを意識するうえで重要になってくるのが、集中力です。
いかに時間効率を重要視していても、集中力が低いと逆効果になってしまう可能性があります。
例えば
・映画をながら見したが、あまり記憶に残らず、同時に作業していたこともあまり進まなかった
・気乗りしない宴会を断ったが、ダラダラしてしまい予定していた時間通りに作業が進まない
こういった経験はタイパ至上主義の人にはあるあるなようです。
このような問題は全て集中力の理解で解決が可能です。集中力について知り、使いこなすことでより質の高い時間を過ごすことができます。
集中力には3種類ある
集中力は「深さ」×「早さ」×「長さ」
まずは、集中力を構成する3つの要素「深さ」「早さ」「長さ」について理解していきましょう。
【1】深さ
集中力の深さとは、集中の度合いを指します。集中している最中に周囲の雑音などにどの程度反応できるか、と考えると分かりやすいでしょう。集中力が深いほど、周囲の音が聞こえなくなります。例えば、ゲームや本に集中していて、声をかけても気づかないような人がいる一方で、小さな雑音すらも気になる人がいますよね。このように集中力の深さは、人によって違います。
集中力は、どのようなときでも深いほうが良いというわけではなく、集中力が浅くても良い点はあります。例えば集中が浅い人は、目の前の1つのことだけではなく周りで起こるいろいろな事柄にも注意を向けることのできる、「外的集中」が優れているとも言えるのです。
【2】早さ
早さとは、集中して行動に取り掛かるまでにかかる時間のことです。集中までに要する時間が短い人は、早く集中できるタイプ。逆に時間がかかる人は、集中するのが遅いタイプだと言えます。机に向かって椅子に座りすぐに勉強が始められる人もいれば、スマホをいじったりボーっと外を見たりしてなかなか勉強が始められない人もいますよね。これはまさに、集中するまでの早さの差です。
集中するまでに時間がかかることで悩んでいるなら、自分がさっと集中モードに入れる方法を見つければ、その悩みは解決できるでしょう。
【3】長さ
長さとは、集中力が持続する時間です。ひとたび集中してしまえば、何時間でも集中し続けられる人がいる一方で、なかなか集中が持続しない人もいるでしょう。例えば、勉強に集中し始めてもすぐにお菓子に手を伸ばしたりトイレ休憩に行ったりしてしまう人は、後者の例の典型といえます。
ただし、勉強やビジネス、スポーツなど、目的によって適切な集中の長さは異なるため、一概に長ければ良いわけではありません。
集中力タイプ別
自分の集中力のタイプを知ろう
集中力とは、ここに紹介した「深さ」「早さ」「長さ」の3つの要素の掛け合わせであると言えます。そして、人によってこの3つの要素の程度はそれぞれであり、取り組むべき事柄によって望ましい集中力の程度も変わってきます。
このことについて、具体的な例を交えながら、考えていきましょう。自分の集中力を「早さ」「長さ」「深さ」の観点から分析してみてください。
集中力タイプ 早×長×浅
「目の前の課題にさっと集中でき、ひとたび集中できれば長く集中し続けられる。しかし周囲の状況には気を取られる」
こんなタイプの人は、1日のうちに様々な勉強や仕事をこなすことに向いています。
課題・作業が変わっても、素早くモードの切り替えができますし、容易にその作業をし続けることができるからです。また、周囲の状況や自分が抱えている別の課題にも随時気を回すことができるので、集中している最中だからと言って、その集中力が周囲の状況によって壊されることがありません。
しかし一方で、すべての作業のクオリティが低くなるというリスクも負っています。
そこで、自分がこのタイプに当てはまるという場合は、個々のタスクに対して雑にならず、丁寧に物事を考え、作業するように意識してみてください。これができるようになれば、複数の物事を要領よくこなす、マルチタスクに秀でることができるはずです。
集中力タイプ 深×長×遅
「1つのことに没頭してしまうタイプで、いつまでも熱中し続けられる。しかし集中するまでに時間がかかる」
こちらの方は、1つのことを深く考える勉強や仕事に向いています。
目の前の課題に没頭し、難題にもじっくり取り組むことが得意なタイプと言えるでしょう。しかし、自分のペース、自分に合った環境でないと、なかなか集中できないという弱点があります。
そこで、集中モードになかなか入れなくて苦労しているという人は、自分が最も集中して物事に取り組める場所を探してみてはいかがでしょう。自宅、カフェ、図書館など、どのような環境でなら集中モードに入りやすいか、いろいろ試してみてください。
あるいは、素早く集中状態に入るためのルーティンを確立するのもおススメです。例えば、深呼吸で気持ちを落ち着かせる、仕事を始める前は必ず1杯のコーヒーを飲む、勉強前は必ず机の上を整理する、など、集中する前にやるべきことを決めておくと、そのルーティンをきっかけに集中力を爆発させることができます。
ベースの集中力を上げる
タイプ別で集中力を発揮する方法とは別に、自身の集中力をトレーニングすることも有効です。
集中力のベースが上がればあらゆる場面でも今以上の集中力を発揮できるようになります。
こちらは別記事で紹介しています。
それでは限りある時間の中で人生を豊かにしていきましょう。
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